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音楽映像クリエーター (映像ディレクター・制作・カメラマン・編集)

Check!4つのポイント!
  • 音楽映像クリエーターとは音と映像と組み合わせてアーティストや楽曲の魅力を視覚的に表現する
  • 音楽映像クリエーターの仕事内容アーティストや楽曲の世界観を表現するMV(ミュージックビデオ)や臨場感あふれるライブ映像を制作
  • 音楽映像クリエーターになるには音楽知識・制作・技術のすべてを学ぶなら、専門学校やメディア系の大学への進学が近道
  • 必要な資格・試験情報は?必要な資格はないが、ドローン操縦免許があれば空撮が可能に

音楽映像クリエーターとは

アーティストや楽曲の魅力を映像として最大限に引き出す

音楽映像クリエーターは、映像制作の専門家の中でも音楽と映像を融合させる技術やセンスに特化したクリエーターで、MV(ミュージックビデオ)の映像を制作します。MVは大きく分けて2種類で、アーティストや楽曲が持つ世界観を表現する映像作品と、コンサートなどリアルに近い臨場感を伝えるライブ映像です。どちらも一般的な動画制作とは違い、楽曲の雰囲気やメッセージ性を表現すること、リズムや歌詞の意味を正確に捉えて映像として出力することなど、高度なスキルが求められます。

かつてはMVといえばメジャーアーティストにしか縁のないものでしたが、動画サイトやSNSで作品を投稿するのが当たり前になったことにより音楽映像クリエーターの活躍の場が大幅に広がりました。いまではオリジナル曲や歌ってみたの投稿するためにMVを外注することも珍しくありません。
そうした状況の変化から音楽映像クリエーターへの需要は増え続けています。

音楽映像クリエーターの仕事内容

MVには無限の創造性が広がる世界がある

音楽映像クリエーターが手掛けるMVには実写、アニメーション、CG、AI生成、XR、メタバースなど無限の世界が広がっています。
ライブで活動しているアーティストやバンドは実写のMVを作ることが多いですが、今日では実写にCGやアニメーションを合成した作品も一般化しています。ボカロPなどネットアーティストが作った楽曲の場合、イラストやアニメーションを使ったMVが多く見られます。

実写系のMVを作るなら、撮影やロケ、必要ならセットの制作をします。
アニメ系のMVを作る場合、自分でアニメを描く人もいれば、イラストレーターやアニメーター、CGクリエーターへ発注するケースもあります。素材が揃ったら映像編集や加工をしてMVを完成させます。

MV制作は映像で楽曲の世界観を表現することやストーリー性を持たせることの他にも、音楽的要素の理解や感性、知識・技術が求められるため専門性が高い職業です。こうした点に注意しつつ楽曲と自分のセンスを融合させた作品を制作します。

打ち合わせ

まずはどんなMVを作るのかクライアントやアーティストと話し合います。
コンセプトや実写かアニメかCG合成かなど、MVの世界観など具体的なイメージを固めていきます。

企画

クライアントの要望を元に曲を何度も聴き、MVや映像作品の構成を考えます。

絵コンテを作る・描く

企画が決まったら次は絵コンテを作ります。(※各場面の「カット」を考案することから、「絵コンテを切る・割る」と呼ばれることもある)
絵コンテとはMVを含む映画やドラマなど映像作品の構想や映像の流れを簡単に描いたもので、映像制作の際にはほぼ必ず制作されます。
絵コンテがあると状況確認やスタッフ間でイメージの共有がしやすくスムーズな進行が可能です。

撮影

実写の場合、曲のイメージにあったロケ地やセットの準備を整えて撮影スタッフの手配など行います。
またライブ映像を制作する場合は、どのようなアングルでどういったシーンを視聴者に届けるかを想定して、撮影機材やカメラマン・撮影スタッフをそろえます。アーティストの魅力を最大限に引き出せるような映像を撮りましょう。

イラスト、アニメーションの制作

MVや映像作品にアニメーションを使うならイラストやアニメーションを制作します。アニメーション制作を依頼する場合は絵コンテを元に依頼します。
イラストレーターにメインイラストだけを依頼し、残りは自分で制作することもあります。

編集

作った素材を元に編集します。カットを繋ぎ合わせたりエフェクトや歌詞を入れて映像を完成させます。

音楽映像クリエーターになるには

音楽映像クリエーターへの道のり

音楽映像クリエーターになるには、スタンダードなソフトや機材から最新機器までを使いこなす映像制作スキルと音楽に関する知識を身につける必要があります。両方のスキル・知識を効率的に習得するなら、動画編集が学べるコースがあり撮影技術・映像制作と音楽を同時に学べる専門学校がオススメです。

音楽映像クリエーターには、フリーランスで全て制作するタイプと、映像制作会社で専門分野に分かれて制作するタイプがあります。個人の場合は依頼から納品まで請け負い、必要なら外注を使って映像を完成させます。映像制作会社では分業化されているケースが多く、プロデューサー、ディレクター、カメラ、エディター、CGクリエーターなど、それぞれの専門分野のスタッフでコミュニケーションを取りながらチームで作品を仕上げていきます。すぐにフリーランスとして活躍することは難しいため、まずは分業化されている映像制作会社で音楽映像制作に必要なスキルを身につけ、経験や実績を重ねていきましょう。

個人として依頼を請け負うならセルフプロデュースで認知度をあげたり、人脈を広げていくことが大切です。自分から営業をかけたり、SNSや動画サイトで自作のMVを公開して自分の実力を知ってもらいましょう。クラウドソーシングのようなサービスを活用するのも一つの方法です。

求められる知識・資質

ビジュアルセンス

MVのような短い動画で強いインパクトや印象を視聴者に与えるには、音と映像をうまく組み合わせるセンスが不可欠です。
新しいアイデアを生むために、社会の変化や日常生活、またトレンドなど様々なことに常にアンテナを張ることが重要と言えます。

ストーリーテリング

多くの楽曲はその1曲の中に物語を持ちます。こうしたストーリー性を深く理解し映像として表現しましょう。
その表現を高いクオリティで提供するには、撮影や編集ソフトの高度な知識・技術が必要となります。

音楽の理解

その楽曲が持つ特性や、音楽のビートやリズム、アーティストが表現したいテーマを理解することで、それに合った映像が制作できます。

コミュニケーション能力

音楽や映像は言葉だけでは表現できない魅力を持っています。そうした魅力をできる限り言語化し、コミュニケーションをとることでお互いの意図を理解し、より良い映像制作へと繋げられます。

必要な資格・試験情報

音楽映像クリエーターになるために必要な資格はありませんが、動画編集やAdobe製品の扱いに関する資格を取得すれば自分のスキルチェックに役立ちます。CGクリエイター検定はCGを利用した映像制作に関する資格です。構図やカメラワークといった映像制作の基本やモデリングやアニメーションなどCG制作手法について出題されます。もう1つ紹介する資格はアドビ認定プロフェッショナル です。
アドビ認定プロフェッショナルはAdobe公式の認定資格で、Photoshop、Illustrator、Premiere Proという3つのソフトウェアの知識が問われます。
Adobe製品はプロの現場ではスタンダードとなっているため、これらのソフト操作スキルを身につけると役立つでしょう。ドローンを使った空撮を考えているなら無人航空機操縦者技能証明(ドローン操縦免許)もオススメです。
映像業界は常に進化しているので、常にアンテナを張って意欲的に最新技術や知識を吸収していく努力は欠かせません。