レコーディングエンジニア
- レコーディングエンジニアとは音源の録音から加工までを手がけ、理想の音を生み出すエンジニア
- レコーディングエンジニアの仕事内容1つの音源や1枚のCDを作る工程において、トラッキング、ミキシング、マスタリングの作業を担当する
- レコーディングエンジニアになるには音楽やレコーディングについて基礎から実践まで身に付ける必要があるため、専用スタジオを持つ専門学校で学ぶことをオススメ
- 必要な資格・試験情報は?必要な資格はありませんが、現場での経験とキャリアが重要。
サウンドレコーディング技術認定試験では技能を測ることも可能
レコーディングエンジニアとは
音源を録音・加工・編集し、曲として完成させるプロフェッショナル
レコーディングエンジニアは、音楽のレコーディング(録音)においてトラッキング、ミキシング、マスタリングといった音源の編集や加工を行うエンジニアです。テレビや動画でミュージシャンのレコーディングの様子を見たこのある人は、大量のつまみのついたミキシングコンソールに見覚えがあることでしょう。あのようなレコーディング機材やDAWを操り、アーティストやプロデューサーとともに理想の音を作り上げていくのがレコーディングエンジニアの役割です。
レコーディングエンジニアの仕事内容
レコーディングでは主にトラッキング、ミキシング、マスタリングの3つを行う
レコーディングエンジニアは音楽制作において、演奏の録音や合成をおこなうレコーディングと呼ばれる工程で活躍する職業です。
レコーディングは主にヴォーカルやギター、ベース、ドラムなどの楽器の音を収録する「トラッキング」、トラッキングで収録した音を合成・加工する「ミキシング」、最終調整を行い流通にのせるマスター音源を制作する「マスタリング」の3つで構成されています。
ミキシングコンソールと呼ばれる機材や、DAW(デジタルオーディオワークステーション)というPCソフトを使い細部までこだわって音源を制作します。それぞれの工程に高度なスキルが必要なので作業をレコーディングエンジニアがワンオペで行う場合と、トラッキング、ミキシング、マスタリングそれぞれに専門のエンジニアがつく場合があります。それぞれの担当者はミキシングエンジニア(ミキサー)やマスタリングエンジニアと呼ばれます。レコーディングは音楽制作において重要な役割をもつため、アーティストの中には特定のレコーディングエンジニアを指名して音楽活動をする人もいます。
機材のセッティング
レコーディングで使う機材は機能も多く複雑です。マイクの位置を変えるだけでも音響が変わったりするため、専門の知識を持ったレコーディングエンジニアが責任を持ってセッティングをします。
トラッキング
トラッキングとは録音のことです。現在はパートごとに個別で収録するマルチトラック録音が主流なので、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、コーラスに分かれて収録します。
もっと細かく分けることもでき、たとえばドラムのスネアだけ、ハイハットだけといった形でトラッキングすることも可能です。
ミキシング
録音したトラックを音源としてまとめるのがミキシングです。
それぞれのパートの音量を調節する、左右の聞こえ方の配置を決める、エフェクターを使って音を加工するなど、1つの音源としてまとめます。
ミキシング技術だけでも高度な専門技術なのでミキシングエンジニアや、MIX師として活躍するエンジニアもいます。
マスタリング
マスタリングは音源を完成させる工程です。普段私たちが聞く音楽はこのマスタリングを終えたマスター音源です。
音源をCDや配信など最終的なメディアへ適した形に音の大きさや音質、周波数のバランスなどを調整します。
レコーディングエンジニアではなく専門のマスタリングエンジニアが担当することも多いです。
レコーディングエンジニアになるには
レコーディングエンジニアへの道のり
レコーディングエンジニアは高度な技術と知識を求められるので音楽専門学校や音楽大学のような音楽専門学校へ通い基礎から勉強しましょう。
とくに専門学校は専用のスタジオを持っているところが多く設備が充実しているためレコーディングエンジニアを目指すならオススメです。
大事な楽曲をアーティストから預けてもらうにはレコーディングエンジニア自身の実力と信用が大切です。
音楽制作の知識や機材を扱うスキルを身につけ、クオリティの高いレコーディングができるようになりましょう。
学校でレコーディングエンジニアとしてのスキルを身につけたら、スタジオや音楽事務所、レコード会社などへ就職し経験を積みましょう。
実力のあるレコーディングエンジニアになればフリーランスとして独立し、アーティストから直接依頼を受けることも可能です。
求められる知識・資質
レコーディングの品質は曲の評価に大きく関わります。音楽について学びアーティストの思い描いた音を表現しましょう。
それぞれの楽器パートを組み合わせて曲を作り上げるため、楽器の音や特性について詳しい知識があると役立ちます。
求められる楽曲やサウンドに仕上げるために、機材や複雑な機能をもったPCツールを扱うので、それらの扱い方を学ぶ必要があります。
レコーディングエンジニアはアーティストと共に曲を作り上げていく仕事です。迅速にリクエストや要求に応える「対応力」と、アーティストが描くイメージを具体化する「提案力」の両方のコミュニケーション能力が必要となります。どんな音楽を作りたいのか意見を交わしてレコーディングに反映しましょう。
必要な資格・試験情報
レコーディングエンジニアになるのに必要な資格はありませんが、機材やツールの扱いなど知っておくべき知識が多いので、スキルアップのために関連資格の合格を目指すのも良いでしょう。
サウンドレコーディング技術認定試験はJAPRS(日本音楽スタジオ協会)が実施している資格試験です。
音響、録音技術、機材、音楽理論などレコーディングエンジニアに必要となる多くの知識が問われます。
合否を問う試験ではなく成績によってA~Eランクで認定されるため、いまのスキルを確かめるのを目的にチャレンジしてみるのも良いでしょう。