キーボーディスト
- キーボーディストとは多彩な音色を操り演奏に厚みを生み出すバンドの「何でも屋」
- キーボーディストの仕事内容バンドのライブやレコーディング、プロキーボーディストとしてバックバンドに参加など人によってさまざま
- キーボーディストになるには演奏技術だけでなくシンセサイザーを使った音作りなどDTMの知識も必要
- 必要な資格・試験情報は?必要な資格はないが電子音楽の共通規格であるMIDIについて知っておくと便利
キーボーディストとは
多彩な表現で演奏を支えるバンドの「何でも屋」
キーボーディストはキーボードやシンセサイザーを演奏するミュージシャンです。
キーボードは役割の多彩な楽器で、メロディの演奏やアンサンブル、リズム、ソロ、シンセサイザーを使った多彩な音色の演奏などができます。
キーボードは鍵盤楽器全般をさす言葉で電子キーボードやデジタルピアノ、電子オルガンなども含まれます。
しかし、単にバンドでキーボードと言う場合、音色合成のできるシンセサイザーを指すことが多いです。
音色合成で音を電子的に変化させることにより鍵盤楽器以外にも管楽器や弦楽器、環境音といった音を出力可能なことから「何でも屋」と呼ばれることもあります。
色々なことができるぶん、演奏方法や音楽理論、シンセサイザーの扱い方など覚える知識は幅広いです。
習得するまでは大変ですが、一度スキルを身につければその表現力の高さを存分に発揮し、自分のやりたいことを思い通りに表現可能なのは大きな魅力と言えます。多様な音色を扱い音楽理論への知識も深いキーボーディストは作曲や編曲方面で才能を発揮することも多いです。
キーボーディストとピアニストの違いは?
キーボーディストは同じ鍵盤楽器奏者ということでピアニストとよく混同されます。
「キーボード=鍵盤楽器」なのでピアニストもキーボーディストの一種と言えますが厳密な定義はなく、両者を区別する時はソロやオーケストラで活躍するクラシックやジャズ演奏家を「ピアニスト」、バンドで活躍する演奏家を「キーボーディスト」とする傾向にあります。
技術的に似た部分も多いのでピアニストとキーボーディストを兼任しているひとも多いのですが、バンドで演奏するジャンルとクラシックでは役割や演奏方法など求められる技術が大きく異なります。
また、電子楽器であるキーボードやシンセサイザーはエフェクトを駆使して演奏するためそうした電子的な操作技術を覚える必要があります。
たとえば、ピアノで鍵盤を押しっぱなしにしたら音は徐々に減衰し消えていきますが、電子キーボードなら設定でずっと音を鳴らし続けたり、だんだんと大きくすることができます。こうした電子楽器ならではの特性を自由自在に操るのがキーボーディストです。
キーボーディストの仕事内容
バンドメンバーやプロミュージシャンとしてキーボード・シンセサイザーを演奏する
キーボーディストの仕事はもちろんキーボードの演奏がメインですが、どこに所属するかで内容は変わります。
バンドに所属しているならライブや練習での演奏のほかに、コーラスやボーカルをしたり、バンドの方針決め・ライブスケジュールの管理といったバンドメンバーとしての活動があります。
プロのミュージシャンとしてキーボードの技術を売りにするなら、スタジオミュージシャンやバックバンドとして活躍しさまざまなアーティストたちと共演します。また、音楽教室で講師としてキーボードを教えたり、作曲+アレンジで活躍することもあります。
ライブ
ライブハウスやイベント会場でバンドメンバーと一緒にライブをします。
大勢のファンを前にしてパフォーマンスを披露する、バンド活動でもっとも盛り上がる瞬間です。
キーボードはソロパートもできるので盛り上がる演出を考えましょう。
レコーディング
CDやネット配信用の音源を収録するためレコーディングをします。
サウンドエンジニアやスタッフたちと協力してサウンドを作り上げます。
スタジオを借りて収録するので予約した時間内に終わらせなければならず集中力が必要です。
サポートメンバー
ソロアーティストのバックバンドなどキーボードの足りないバンドへ一時的に加入し演奏します。
プロとしての実力を買われて依頼されるため、キーボディストとしての高い技量を求められます。
シンセサイザーによる音作り
シンセサイザーはいろんな音が出せる反面思い通りに使いこなすことが難しい楽器です。
普段から研究を重ね表現の幅を広げましょう。
キーボーディストになるには
キーボーディストへの道のり
キーボーディストを目指すならまずは、キーボード・シンセサイザーの演奏や扱いを勉強しましょう。
キーボーディストは、シンセサイザーによる音作りもするので、演奏だけでなくDTMも学んだ方がいいです。
幅広いスキルを学ぶので独学ではなく専門学校や音楽大学などの音楽学校に通って音楽理論からしっかりと身につけるのがオススメです。
ピアノを習っているとスキルを応用できるため演奏は習得しやすいですが、電子的な音作りは1から勉強することになるので頑張りましょう。
また、音楽学校へ通うもう一つのメリットとして、バンドメンバーの集めやすさがあります。
同じ目標を持ったさまざまな楽器奏者が集まるため必要なパートを揃えやすいのはバンドを始める上で大きなアドバンテージになります。
ギタリストなどに比べるとキーボーディストは少ないと言われておりバンドに入りやすいのも強みです。
ライブなどで経験を積み演奏技術が上達していけば、プロのミュージシャンとして活躍する道も開けます。
オーディションに合格したり実力を認められて音楽事務所やレコード会社に所属できれば、スタジオミュージシャンやアーティストのバックバンドとしての仕事を受けることも可能となります。
求められる能力・資質
音楽理論を学び音階、和音、リズムといった基本を知ることは多彩な音色を操るキーボーディストにとってメリットがあります。音についての知識を学ぶことで論理的な音作りが可能となるでしょう。
キーボーディストとしての演奏技術を磨きましょう。
多くの音色を操るので、複数のキーボード用意しライブ中に切り替えながら演奏する人もいます。
シンセサイザーでの音作りではPCのソフトウェアを使うためDTMのスキルを身につけましょう。
物理的なつまみで音色をコントロールするハードウェアシンセサイザーでも専用エディターを使って音色の変更をできるものが多いです。
必要な資格・試験情報
キーボーディストに資格は必要ありませんが、「MIDI検定」という資格を取得しているとデジタル音源の操作やアレンジなどで有利になるでしょう。
この資格は電子楽器の共通規格であるMIDIに関するもので、シンセサイザーで電子的な音作りをするキーボーディストにとって役立つスキルを学べます。4級から1級まであり、1級ともなるとMIDI編集技術だけでなく表現力や音響知識までも要求され、音楽制作そのものを評価されます。
また、DTMなどの最新技術を習得することで、プレイヤーだけにとどまらず、アレンジャーやサウンドプロデューサーとしての活躍も期待できます。